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how to 学びイノベーション vol.2 未来を拓く学びとは?編

まず、イノベーターっていうことばの意味からお話ししましょう。

イノベーターっていうのは、イノベーションをつくる人のことです。

このイノベーションってことばを聞いたことがあるでしょうか。

このことばは、これからの未来をひらくためにはとても大切なことばなのです。

イノベーションというのは、これまでの良いことをうたがって考えることで新しい良いことを生み出して、一歩先に特定の人や社会のやくにたつことをつくり出すことです。

ただ変わったことやおどろくようなことをすれば良いのではありません。

その考えやつくり出したモノが、半歩ほど先の未来でみんなの価値になる必要があります。

ところで、なぜそのイノベーションが必要なのでしょうか。

今、世界の人々は見えない未来の迷子です。右か左かどっちに進むのが正しいのか、だれも知らないのです。しかも、さまざまな未来予想では、右も左もどちらも正解ではないようだという予想ばかりがされています。

そのような世界は、イノベーションがあちこちであたりまえに生まれるようになるのを待っています。なぜなら、ふつうのことをふつうにくり返す毎日では、幸福な未来を生み出せなくなっているからです。

AI(人工知能)のスピード感にあふれる進化は、この問題を、さらに待ったなしの課題へと進めました。人に代わって人工知能が果たすことのできることが、急にとても多くなってきたからです。

おかしなことに、AIを生み出した大人たちは、今の子どもたちが大人になった時に、AIがその子たちの仕事をすべてあずかってしまうのではないかと、本気で心配しはじめました。

じっさいに、AIはよく働きました。人間よりも多くのデータを人間よりも早く正しく考えることのできるAIは、人間の信用できるパートナーとなっていったのです。

そうなると、今度は、人間のまちがえやすいところが目立って見えてくるようになりました。

そして、いくつかの仕事では、本当に人間がいらなくなりました。人間が必要ない仕事はどんどんふえていき、少しほかの人よりミスの多い人は、泣く泣くその仕事を去らなければいけなくなっていったのでした。

このできごとを、人間もだまって見ていたのではありません。人間らしさこそが大切な仕事もあるはずだという考えの人が出てきました。

人をいやす仕事、支える仕事、育てる仕事などの分野は、やはり人間の方がAIよりもはるかにじょうずにすることができたのです。

大人たちは、こういった仕事で人間は良い仕事ができると考え、あらゆる場でそれを伝え、広げていきました。その結果、人間が人間に対して行うサービスが、ものすごい勢いでふえていきました。

ですが、AIの進化の早さは人間の予想をこえていました。

AIのすさまじい進化は、人間が得意とする分野の外側で、多くの仕事の種類や中身をどんどん変えていったのです。

未来予想では、今の子どもたちが大人になる時には、65パーセントの仕事が消えて、他の仕事にかわっているだろうと語られました。

そんなふうな予想できない未来でも、いきいきと幸せに生きるのはどんな人間なのでしょう。

そうです。それこそがイノベーションを生み出せる人、イノベーターなのです。ここまでをまとめて、次のように言うことができます。

予想できない、あいまいで、約束のない未来で、いきいきと幸せにくらせるのは、これまでの良いことをうたがって考えることで新しい良いことを生み出せる人。一歩先に人や社会の役に立つことをつくり出すことのできる人。イノベーターなのです。

そんなイノベーターになることのできる人ってどんな人なのでしょう。

学校で、ものごとを正しくすることが上手で、先生の言うとおりに何でもできる人でしょうか。それとも、漢字や計算がとくいな人でしょうか。あるいは、集団でみんなを上手にまとめるリーダーシップをもった人でしょうか。

『イノベーターの条件』を書いたピーター・ドラッカーは、こんなことを言っています。

しなくてもよいことをうまく行うことほど、ムダなことはない。

どんなことでも器用にこなすことのできる人がイノベーターになれるのではないのです。また、こう語ります。

将来についてわかっている唯一のことは、今とは違うということだ。

今までしてきたことをうまくこなせる人がイノベーターになれるのではないのです。たしかに、今とはちがう良いことを生み出すことがイノベーションでしたね。では、未来についてどう考えると良いのでしょう。こう語ります。

未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。

未来にどうやって自分を合わせていけるかを考えるのではなく、どうやって未来をつくっていくかを考える人が、イノベーターになれる人なのです。

ここで、vol.1でいちばん初めに伝えたことを思い出してほしいのです。こう伝えました。

「自分がふつうだとは思えない人は,イノベーターになるためのとてもレアなチャンスをもっている」と。

こうも伝えたました。

「もし,あなたが『ふつう』のことを,『自分以外の多くの人たちのこと』と考えるのであれば,きっとあなたはそのレアなチャンスをもっている人ということになるでしょう」と。

そして、こうまとめましたね。

「あなたは,ふつうにすることよりも,ふつうでないことをしてみたいという願いをもっていて,その方が向いているということを自覚している特別な人です」と。

これ以上、あなたがイノベーターのたまごである理由をならべる必要はないでしょう。

自然と、「自分は,ほかの人とはちがう。ほかの人とはちがうことをすることが合っている。」という考えが生まれてくるあなたは、イノベーターになれる人であり、今、そのことを自覚できている人なのです。

では、イノベーターになるために、わたしたちが学ぶべきことは何なのだろう。

最後に、先ほどのピーター・ドラッカーの考えを記しましょう。

21世紀に重要視される唯一のスキルは、新しいものを学ぶスキルである。それ以外はすべて時間と共にすたれてゆく。

そのスキルの価値に大人になってから気づき学び始める人が多くいます。しかし、イノベーターとして成功している人は、それらを10代で身に付けていて、若くしてイノベーターとして成功しているという共通点があります。

ティーンエイジの時代に、その資質を身に付けるための学びと、学校の試験で優秀な成績をおさめるための学びとでは、どちらが価値があるのかを決めるのは、あなたです。自分にとって未来を切り拓く学びが何であるのかを考えた上で、価値ある学びをしてください。

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