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how to 学びイノベーション vol.3 どんな学びするの?編

 

学ぶことで未来を拓くには、どんな学びをしたらよいのでしょう。

日本の多くの児童生徒は、学習指導要領で内容が定められている学校カリキュラムを学び、その内容をどの程度身に付けたかどうかという証明の仕方で、自分の能力を確認したり証明したりしています。

ところが、学校カリキュラムや学校そのものに不適応感をもち、なじめないと感じているティーンズがどんどん増えてきています。表面化しているだけでも小中学生14万人が不登校になっています。学校には行っているものの、そのカリキュラムや文化になじめていないと感じている「潜在的不適応」を含めると、おそらく100万人を軽く超えるティーンズが、学校での学びに対して不適応感を抱いています。

学校カリキュラムに不適応感をもつティーンズは、考え方を間違っているのでしょうか?可能性を失っているのでしょうか?学びに失敗したのでしょうか?

違います!と断言しましょう。

なぜなら未来を拓くために必要とされる学びは、学校カリキュラムとイコールではないからです。

学校カリキュラムを完璧に身に付けることで将来を切り拓くことは、2010年ごろにアメリカのリーマンショックを発端とする経済活動の変化によって成功を確保できる手段ではなくなっていきました。学校で成功した人が、大企業に就職した先に、良い生活と豊かな余暇を得られるわけではなくなってしまったのです。

そして、今や優良大学を修了した人でさえ、大企業や省庁に就職することを避け、できたばかりの外資系企業に就職したり、フリーエージェントとして組織に所属せずに大きな利益を生み出すことを志すようになってきています。

そんな時代においては、学校カリキュラムに適応できているかできていないかだけを基準にして自分を評価する必要は全くありません。

学校カリキュラムに適応できているかどうかで悩んでいる間に、幸せな未来のために学ぶべきことがたくさんあるのです。

では、それはどんな学びなのでしょうか。実は、その未来を拓く学びには、まだ名前がありません。誰もそれを定めていないし、教科書も書いていないのです。それは、今のティーンズが自分自身で作っていく学びなのです。便宜的にそのような学びを呼ぶとするなら、ぼくはこう呼びます。

学びイノベーション

つまり、何を学ぶかが重要なのではなく、何を目的に学ぶのかが重要なのです。あなたが会ったこともない人が定めた学習内容を、価値も感じられないままに勉強をするような学び方は、もうこの時代にはふさわしくないのです。

人が与えた内容についてテストで良い点数をとるために時間と労力を割いて努力する学び方では、もう未来を拓くことはできません。

 

大多数の学生が上のアンケート結果のように考えている中、あなたは何を学ぶべきなのか。「学びイノベーション」の学習対象は、未来にあなたが得たい価値から導かれなければなりません。それでは、予想される未来とその未来であなたが価値をもち続けるために何をすべきか考えてみましょう。

 


未来予想1:今ある仕事の65%が他の仕事に変わってる?

耳にタコができるほど聞くこの未来予想。そんな未来にあなたが価値を失わないためにはどんな学びをするとよいのでしょう?

〇〇になるための学びでは、未来に対応できないということになります。

新しいことに出会った時にスピード感をもって学び、対応するためのスキルが必要となるのです。

エクササイズとして、本屋に行ったら、あなたの知らないジャンルの棚の前に立ちましょう。ブログを読むときは、あなたの触れてこなかったカテゴリーから記事を選びましょう。関心はあるけど触れたことのないジャンルの本を3冊読んでみてください。3冊の本で、十分人に語れるくらいの知識を得られることに気付けると思います。

<どんな学び?>
① 本屋(図書館)に行ったら、なじみのないジャンルの棚の前に立ち、気になったタイトルの本をパラパラめくろう。
② これまで触れてこなかったカテゴリーのブログを読もう。
③ 触れたことのないジャンルの本を3冊読み、得た知識を人に語ってみよう。

 


未来予想2:学校で成功している人ほど、活躍できなくなる?

学校で成功している人に、オーガニゼーションマン(組織的人間)としての成功の道が保証されていたのは、前述のとおり2010年までの話。学校で成功してきた人は、組織的な成功が閉ざされてしまった時にも、フリーエージェント(自由契約者)になるための決断に二の足を踏みがちで、判断のタイミングが遅れがちです。

それはなぜかというと、学校という組織での成功のために費やした努力と時間を、組織の力にほとんど頼らないフリーエージェントになるためにたやすく失えないからです。

学歴を積み重ねてきた末にフリーエージェントとしての未来設計が見えたとしても、学校で成功を収めてきた人は、どうしてもオーガニゼーションマンとして組織の中での生き方を選びがちです。

ですから、そうならないために、あなたは、親の名前、学校名、成績表に頼らない価値を身に付けておかなければなりません。そのための学びをする必要があります。

<どんな学び?>
① 「好き」を見つけて、追究しよう。
② 「好き」の中から周りのみんなが学んでいないことを選んで学ぼう。
③ 学んだことにあなたのオリジナリティを加えて新しい価値にしよう。

 


未来予想3:内向きな人が、しゃべれる人より評価されるようになる?

これまで、学校の授業のみならずあらゆる社会活動をリードするのは常にしゃべれる人、コミュニケーションスキルの高い人でした。

それは、大組織においてはコミュニケーションスキルがもっとも重要なスキルだからです。企業において戦略を話し合うとき、行政が問題解決を図るとき、店舗で無作為抽出された顧客の購入意欲を引き出すとき、コミュニケーションスキルは必須となります。

しかし、そんなコミュニケーションスキル依存の社会は、大組織が成功を保障することができなくなってきたことで、終わりを迎えつつあります。

スーザン・ケイン氏は、『内向型人間の時代』で、これまで評価されてきた外向性は人格ではなく性格であり、内向的な性格であることで成功から排除される社会の仕組みを批判しています。

ケイン氏は、「誰からも好かれる人」や「カリスマ的リーダー」という理想はすでに過去のものとなっており、現在においては、共同作業が創造性に富む内向的な人の創造性を殺してしまっているとしています。

そんな中で、ケイン氏は、学校は「不自然な場所」であると言っています。学校は、基本的に共同的な学びに価値を置いています。学校では、「今日は、この問題について、みんなで話し合いましょう」ということを毎日行っているわけです。

共同的な学び方が合わず、内向的な学びが合っている学習者には、共有できない学びを日々提供し続けていることになります。

この状況を一変させたのは、ネットコミュニケーションです。ネット上では、もう黒板の前で顔を赤くしながら、自分をごまかしてまで不安だらけの自分の考えを表現する必要がなくなりました。

あなたは、表現することのハードルを気にせずに、自分の学びたいことを学んだり、それについて自分の考えをもったりすることを、もう恐れる必要がなくなりました。

表現することのハードルのために、自分の考えを発展させることを押し殺す必要はないのです。内向的な学びをどんどん追求していきましょう。内に向かう学びは、創造性に直結する学びとなります。

<どんな学び?>
① 集中的実践(夢中になって取り組む活動)を多く取り入れよう。
② ノートに描く、PCで表すなどの一人きりのアウトプットをしよう。
③ 少しずつ不特定多数に発信していこう。

 


未来予想4:不登校というライフスタイルが選択肢の1つになる?

不登校は「学校に行けない状態」ではなく「学校の外に学びの機会を求めている状態」というように考えられるようになってきています。

みらいびらきLabo.は、この状態をオープンスクーリングと呼んでいます。

文部科学省も家庭でのIT学習を一定要件で出席扱いにするという通知を出しています。また、教育機会確保法でも、不登校児童生徒に対して学校に登校することを唯一の解決策とする考え方は否定されています。

学校カリキュラムで学びを完結させるという考え方は、もはや前時代的な考え方と言えます。

個々の学習者が、自分の未来を切り拓くために必要とされる学びを追求することが常識となっていき、学校に行っているか行っていないかということが学んでいるか学んでいないかと直結することではなくなっています。

つまり、オープンスクーリングを行っている限り、不登校であることはまったくデメリットではないということになります。

<どんな学び?>
① 学校の外にも学びの対象を求めよう。
② 学校カリキュラム外の学習機会を無駄なことと考えず、オープンスクーリングをしているのだと考えよう。

 


未来予想5:すべての労働者がYouTuberになる?

学校でみんなの前で堂々と発言をしてみせるスキルが次第に重視されなくなっていく一方で、ネット上であなたの価値を証明するスキルは必須になっていきます。

学校名や会社名は、あなたの価値を証明するものではなくなります。

では、どうやってあなたの価値を証明するかとなると、既存のYouTubeやSNSなどを利用して証明するという方法をとることとなります。

YouTubeもSNSも、すべての人に平等に与えられているものです。その平等な条件下で価値を証明できた人が成功する人となります。

今、成功しているYouTuberや読者モデル、ブロガーなどで、学校名や会社名を価値の証明に用いている人がいるでしょうか。

そう遠くない未来に、彼らが自分の価値を発信しているフィールドに、すべての企業やフリーエージェントが参入することになります。

そこでは、1人の中学生と1つの大企業は、対等な1つのアカウントとして存在しています。

その時には、あなたの学歴や所属する集団の名前は、あなたの価値とは関係のない名称になっているでしょう。

あなたは、あなたに合った方法で、あなたの価値を証明するスキルを身に付けておかなければならないということになります。

<どんな学び?>
① 学校名や所属名なしに他者から共感を得る練習をSNSやブログなどを活用してやろう。
② 動画サイト、SNS、ブログ、読者モデルなどで成功している人のうち、自分の価値観にあっている人の記事などを追跡して技を盗もう。

 


未来予想6:先生は日本で1人になる?

ITの発達により、皆がweb上で同じサービスを享受できるようになりました。

これまでは、世の中に100万人いる教師の中から、あなたが偶然出会った教師から学ぶ必要があったのですが、今や極端な話、指導技術が日本で1番優れている教師が1人いれば、全日本人がその教師からwebで学ぶことができます。

教師は日本で1番優れた人が1人いればそれでよいということになります。ぼくは教師なので、そうなってしまうと大変困ってしまいますが、、

そんな時代に、どう学ぶべきなのでしょう。

あなたは、web上に優秀な教師を見つける必要があります。それは、特定の人物である必要はありません。

あなたにフィットする学習サイトでも良いですし、ためになる情報を得ることのできる動画配信サービスでも良いのです。

この時代、あなたの得たい情報や学びのスタイルに合った学習サイトを1つももたずに学習するのは、あまりに受動的な学びのスタイルであり、むしろ心配です。

まずはTEDやKhan Academyなど、世界では当たり前になっている学習機会に触れ、世界のティーンズがどう学んでいるのかを確かめてみましょう。

<どんな学び?>
① 偶然あなたを担当することになった教師からだけの学びに依存することは、受動的な学びにすぎません。ネット上で活用できる学習サイトをいくつかリストアップしましょう。無料もたくさんあります。
② TEDやKhan Academyなどの世界のティーンズが親しんでいる優良サイトからまずはなじんでいこう。動画には字幕が付きます。

 


今回は未来を切り拓くための学びは、どんな学びなのかについて説明しました。

もう少し具体的な方法論を書いてほしいという方もいたかもしれません。ですが、具体的な方法論では結局人から与えられた学習にしかならないのです。

何のためにどんな学習をするかは、すべてあなたに任されているのです。それを決めるチャンスは、現代社会において最大の価値だと思うのです。

学校での学びがすべてであった社会システムが、2010年ごろに崩れ始めたことが契機となって生まれた新しい価値です。

この価値を活かせた人こそが、未来において幸せを獲得することのできる人となるのです。

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