Menu
0 Comments

ストーリーボードで行う、みらいびらきLabo.流「アイデア会議」のススメ

 

ティーンズのイノベーション教育に取り組むNPO法人みらいびらきLabo.の行う「アイデア会議」について、解説したいと思います。

 

はじめに、「会議がうまく回っている」と感じるのは、どんな時でしょうか。

話し合いがアクティブに行われて、参加者が意気揚々としている時でしょうか。それとも、沈黙は多いけど、結果だけは残っているような時でしょうか。ぼくは、前者も後者もうまく回った会議と言うには不十分であると考えます。

話し合いがアクティブに行われていることは、うまく回っている会議のための必要条件であり、十分条件ではありません。後者の結果が残るということも、うまく回っている会議のための必要条件であり、十分条件ではありません。

 

話し合いがアクティブに行われ、最後に結果もきちんと残るような会議が、うまく回っている会議と呼ぶにふさわしいものと言えます。会議がそのようなものになるには、会議の「ストーリーボード」がとても有効になります。

 

つまり、その会議のプロセスで何が行われ、どこにたどり着くのかということを予め可視化しておくことが大切なのです。それが会議の参加者で共有されていないと思考はアクティブにならず、最終的な成果も得られないということが起こってしまいます。

例えば、ドラマやアニメの感動場面集をYouTubeで見ることが多くあります。感動に浸りたいと思い、それらを見てみるのですが、全然感動がわき起こらないということがあります。動画に対してアクティブな思考の反応が起こらないのです。良いところだけをより集めた動画集なのにどうしてアクティブな思考が働かないのでしょうか。それは、動画集がストーリーボードをもたないからです。

ぼくたちがドラマやアニメを観る時には、意識下にストーリーボードをもって観ています。次はこう展開していくだろうというストーリーボードにストーリーがのるかそるかを確かめながら鑑賞しているのです。ストーリーボードにストーリーがのっていれば痛快に感じますし、ストーリーボードからそっていれば揺さぶられます。それが、面白さとしてアクティブに思考を刺激します。

会議においても同様に、アクティブな思考を促すためには、ストーリーボードがとても重要になります。まして、会議は複数で行いますので、参加者でストーリーボードを共有しているかどうかが問われます。ですから、共有のためにはストーリーボードの可視化が必要となるのです。

例えば、次に行う予定の「アイデア会議」は、このようなストーリーボードに沿って行います。

 

 

ストーリーボードには決まった描き方はありませんが、いくつかのポイントがあります。

<ポイント1>広がるのか、縮まるのかを示す。

アイデアをどんどん生み出して拡張していく思考なのか、あるいは、特定の意見に向けて収束していく思考なのかを図の幅で表します。この図では、前半はブレイン・ストーミングによって拡張する思考を行い、後半はいくつかの案について収束的にプランニングを行うことを表しています。

<ポイント2>どんな思考活動なのかを示す。

その段階でどんな思考活動をしているのかを端的に示します。この図では、アジェンダづくりによってストーリーボードの展開を共有し、ブレーンストーミングで拡散思考を経て、案を絞り込み、2点ほどのアイデアについてSWOT分析で内部要因・外部要因の強みと弱みを評価するというプロセスで行うことを表しています。

<ポイント3>最後の活動を示す。

会議の最終到達場面を示しておくことは、きわめて大切なことです。なぜかというと、そのようにすることで予め成果の約束された会議になるからです。この図では、OUTPUTが最終到達場面になっています。つまり、2点ほどのアイデアをSWOT分析した結果をディレクターが示すことがこの会議の成果となることが予め約束されていることになります。

 

このストーリーボードは、拡大して壁に貼っておきます。空きスペースには、実際の会議のストーリー展開を乱雑で良いのでどんどんメモしていきます。そのようにすることで、会議の迷子が出てくるのを防ぐことができるとともに、可視化によりアジェンダの共有が強まります。

 

会議スキルとしてはファシリテーションが流行りましたが、このストーリーボード会議は、ディレクターが会議パーツを組み合わせて自由にデザインする会議という意味で、ファシリテーションの型・スキル優勢な性格を克服しているとも言えます。

組み合わせする会議パーツについてはまた今度ご紹介しますね。キックオフでアイデアをブレインストーミングし、数案に収束していく会議なら、事例のストーリーボードが最適です。一度お試しを。

1 thought on “ストーリーボードで行う、みらいびらきLabo.流「アイデア会議」のススメ”

  1. takaki@suckfish より:

    ストーリーとドラマは別物と考えるべきですね。つまり進むべき道筋(ストーリー)が最初に示されていることで、出会う物事に心動かす場や余地(ドラマ)がちゃんと保障されるという、ある意味、逆説的な考え方でオモシロイと思いました。特に最後のゴールが現実の会議では足りない部分かもしれませんね。みんなで話し合ったという事実のみが残るだけで、結局はホストが何となく一人で最後に独断でまとめて報告みたいな会議ばかりだもんね。最後まで一人一人に責任がある会議ってあんま見たことないから、オモシロそう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。