Menu
2 Comments

学校でのトラブル、親としてどうする?

こんにちは。お子さんを学校に通わせていると、時にお子さんがさまざまなトラブルに遭遇することがあります。いじめ、不登校、ケンカ、友達トラブルなど、トラブルの種類も多種多様です。

そんな時、学校のことは学校に相談するしかないわけですが、その時に、学校に何をどう相談したら良いのでしょうか。お子さん抱えてしまったトラブルの根を深くしないための方法を考えてみましょう。

根を深くしてしまうパターン

まず、トラブルの根を深くしてしまうパターンから考えてみましょう。

トラブルを抱えてしまったお子さんは、とても強い不安感にさいなまれています。最も大切にしなければいけないことは、お子さんの不安感を最大化してしまわないようにすることです。「子どもは苦労して育つ」という考え方もありますが、必要のない苦労が将来にわたって成長に影を落とすこともあることを考えておく必要があります。

では、お子さんの不安感はどのような時に最大化するのでしょう。

それは、心が「今、ここ」を離れ、時間と空間をさまよってしまっている時です。それは、「きっと今頃○○ちゃんは私のことを□□と思っているはずだ。」とか「私が△△していた時、○○ちゃんがこっちを見て笑っていたのは、私のことを□□と思っているからだ。」などという思考が、どんどん溢れてくる状態です。この状態では、今、目の前にある事象よりも、あの時、あの場所でという考えが支配的になっています。心を大きく占めるのは、今の行動選択ではなく、過去の不満と未来の不安です。この状態が長く続けば、最悪の場合、小児うつやそれに近い健康状態になりかねません。

この状態を回避するためには、お子さんを情報戦に巻き込まないようにすることが必要です。

学校にトラブルの解決を依頼する際に、「相手方の○○ちゃんが何と言っているのか確認してください。」とか「○○ちゃんがどう思っているのか教えてください。」というように、間接的に得た相手のお子さんの情報を本人に伝えることや、「△△さんが見ていたはずなので、聞いてみてください。」などと、他のお子さんの証言から事実確認をしてお子さんを納得させることは、情報戦にお子さんを巻き込む原因になってしまいます。

このような情報戦に巻き込まれてしまうと、お子さんの心は「今、ここ」を離れてしまいます。それは、伝え聞いた不確かな情報により活性化された思考がお子さんの感情と不一致を起こし、不安感を増強させるからです。では、どのようにして学校にトラブル解決を依頼したら良いのでしょう。

学校にトラブル解決を上手に依頼するには

最も大切なことは、子どもの言葉を学校にそのまま伝えるということです。

学校に話すときには、お子さんの話した言葉をそっくりそのまま伝えます。子どもは今の状況をよく理解できていないはずだとか、子どもは言葉が不十分だから表現しきれていないはずだというように考えて、大人の解釈を織り交ぜて語るのではなく、お子さんが語る言葉をそのまま伝えるようにします。そのためには、お子さんの言葉を記録しておくことも大切です。耳で聞いただけの言葉は、いつの間にか大人の解釈が含まれてしまうことがあるからです。

なぜ子どもの言葉を学校にそのまま伝えることが大切なのかというと、たとえ親子であったとしても、親と子では期待する解決のゴールが異なることがほとんどだからです。日常的な対人関係を社会的な場で構築している大人と、より感情的なつながりで構築している子どもとでは、解決の道筋もゴールも異なることが多いのです。

この違いがズレを生み、トラブル解決を難しくしてしまうことは少なくありません。子どもの困り感を大人と同じプロセスで解決しようとしてもうまくいきません。ですから、お子さん自身が表現した言葉は、解決のためにとても価値があるものであり、最大に尊重すべきものだと考えましょう。

大切なお子さんが、学校でトラブルを抱えてしまうと、親としては気が気でありません。解決のために何ができるか一生懸命考えると思います。その時には、学校という解決のための資源を最大限に生かすことができるよう、「情報戦に巻き込まないこと」と「子どもの言葉を学校にそのまま伝えること」を意識しながら学校に解決の依頼をすると良いと考えます。実際には、どう伝えたらいいの?という方は、ぜひご相談ください。

2 thought on “学校でのトラブル、親としてどうする?”

  1. 瀬野直樹 より:

    確かにそうだなと思いました。情報戦に巻き込まないこと。その通りと思います。
    学校では、この情報戦に、子どもを教員が巻き込んでいるように思います。
    事実そのものよりも、その時の子どもの感情とか空気とかがまずあって、そこに子どもの一言が引き金になっていたりします。ここを押さえておいて、空気を変えてあげれば解決なのにな。
    そういうことが多いなと思います。
    ありがとうございました。とても参考になります。

    1. m-lab より:

      瀬野さん、コメントをありがとうございます。
      学校は、言語による根拠づけや問題解決を重視する傾向がとても強いですね。
      子どもの話した言葉を問題解決の糸口にすることが通常ですが、事実は言葉にすると変異することが多々あります。
      瀬野さんのおっしゃる通り、子どものあらゆる表現が価値あるものとして捉えられるようになると、情報による問題解決から抜け出せるのではないかと思っています。
      しかしながら、学校は、対話重視となり、ますます言語に価値が置かれるようになっていっていますね。
      学びも問題解決も言語重視になってくると、言語表現にハードルを感じる子どもさんは、ますます生きづらいだろうなと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。