Menu
0 Comments

デリバリー型フリースクール「みらいの学校」

みなさん、こんにちは。
いきなりですが、不登校って誰が解決すべき問題なのでしょう。


1 不登校の本当の課題とは?


ぼくは、不登校を問題として捉えるならば、それは大人が解決しなければならないものだと考えています。理由は単純で、学校に適応できずにいる子ども自身が困っている当事者であるからです。学校に適応できずにいる子は、支援を受ける必要のある子であって、責任を問われたり、問題解決を請け負ったりする立場ではありません。この子どもたちは、100ある「できること」の中で、たった1つ「学校に行くこと」に困難をもっている子どもたちであって、99のできることをもっているのです。ただ、たった1つの「学校に行くこと」が困難であると、それに伴って二次的なリスクがたくさん生じてしまいます。実は、不登校のリスクの大半は、学校に行けないことではなく、この二次的なリスクの方に内在しています。
この二次的なリスクを最大限回避させることができるのは、不登校の当事者である子どもではありません。地域社会全体で、この二次的なリスクを減らしていかなければなりません。


2 二次的なリスクを減らすには?


学校に行けないことによる二次的なリスクを減らすには、何をどうすれば良いのでしょうか。
このことを考えるには、なぜ学校に行けないことで二次的なリスクが生じてしまうのかから考える必要があります。学校に行けないことで二次的なリスクが生じてしまうのは、究極的には学校以外に学ぶ場がないことが要因となります。もし学校以外にも学ぶ場があれば、不登校はその瞬間に誰にとっても問題ではなくなってしまいます。それがないために課題であり続けているということになります。つまり、学校以外に学ぶ場をつくり出すことが課題解決の具体策であり、それは大人にしかできないことでなのです。
もし中学校区に1〜2箇所程度のフリースクール等の学びの場があれば、不登校はもう問題ではなくなってしまうことになります。


3 それでもフリースクール等が増えない訳は?


中学校区に1-2箇所程度のフリースクール等があれば,不登校の状況にある子どもは,複数の選択肢から自分に合ったフリースクール等を選択できると考えられます。それが理想ではありますが,実際にはなかなかフリースクール等が増えないのはなぜでしょう。
それは,まさに大人の事情と言うべきもので、フリースクール等の経営上の難しさにあります。フリースクール等を経営する上で,それを主な収入源として経営していこうとすると,多くの利用者を集めるか,1人当たりの利用費をある程度の額に設定するかというジレンマに陥ってしまいます。フリースクール等によって社会貢献をしようという志をもった発起人は,ここで実現の難しさを感じ,プランを具体化することに頓挫してしまうのです。


4 フリースクール等のイノベーション!


この課題を解決しない限りは、フリースクール等が拡大していくことはありません。解決策として、設備費から自由になる必要があります。フリースクール等を一定数の子どもに利用してもらうには、箱になる施設が必要だと考えてしまいますが、このことが足かせとなっています。これをどう解決したらよいのでしょう。
ここで、フリースクール等についての考え方にイノベーションを生み出す必要があります。フリースクール等には箱となる施設が必要という常識を疑ってみます。箱から自由になった学校とはどのようなものなのか想像してみましょう。


箱となる施設のない学校は、不登校の子どもにとってどのような意味をもつのでしょう。不登校の子どもたちは、少なからず学校という空間に対する不適応感をもっていると考えられます。だとしたら、箱となる施設をもたない学校は、彼らにとってハードルを下げることになるのではないか。そのような想像ができます。つまり、フリースクール等を運営する際に、どうやったら学校らしい装いをもてるのかを中心に置くことは、かえってフリースクールの意義をなくしてしまうことにつながってしまうとも考えられます。
教師、教室、カリキュラム、時間割などについても同じことが言えます。それらをどのようにして学校に近づけるかでデザインしてしまうと、それらに不適応感をもつ子どもたちのためのフリースクール等にすることができません。フリースクール等をデザインする際には、常に子どもベースで考えていくことが必要です。


5 みらいびらきLabo.の考えるイノベーション


子どもベースでフリースクールをデザインした時、絶対必要だと思われた箱となる施設はむしろない方が望ましいのではないかと考えられました。では、どのような場で学びをつくり出せば良いのでしょうか。


みたいびらきLabo.がデザインしているのは、デリバリー型フリースクール「みらいの学校」です。利用者が利用しやすい場にこちらから赴く、住所をもたない学校です。利用者目線に立って、季節や活動内容に合わせて場所を変え、開校する学校となります。そのようにすることで運営側も利用側も箱から自由になることができます。それは,メリットとも考えられます。


他にも、「みらいの学校」には他の学校と違うところがあります。それは、誰もが教師であり、生徒でもあるということです。ある分野においては教師である人が、違う分野においては生徒になります。そうやって、自分の強みや得意をシェアし合う形の学びを行うのが、みらいびらきLabo.の考えている「みらいの学校」です。
カリキュラムも自分で決定します。小中学校の出席要件を満たすために45分以上の勉強を行いますが、この45分で何をするか、この45分をどのように分割して行うか、というカリキュラム・マネジメントやタイム・マネジメントも子ども自身が行います。

このようなことを形にしたデリバリー型フリースクールが「みらいの学校」です。2023年度中に開校できるように目下準備中です。今までになかった子どもベースのフリースクールが、新潟市から始まります。お楽しみに!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。