特定非営利活動法人みらいびらきLabo.のセラピー介在犬(インターン)を紹介します。
5歳のトイプードルであるウィルくんです。
ウィルくんの自慢は、ふわふわおしりです。

ウィルくんは、みらいびらきLabo.代表佐藤のコンパニオンドッグで、5歳前後からセラピー介在犬としてのトレーニングを開始しました。
介在犬としての長所は、他の犬へのジェントルなごあいさつ、音刺激に対する冷静さ、馬や羊などの動物に対する冷静さ、オーナー以外の人間に対する程よい距離感など。短所は、ペロペロ大好き、飛びかかり大好き、猫追い大好きな子で、しかも、子どもに興奮しやすいので、セラピー介在犬として身につけなければならないことはまだまだたくさんあります。
そんなウィルくんですが、たまに環境を整えた状態でセラピー介在のインターンをすることがあります。お子さんや若者の支えとなるために、公認心理師である佐藤と共に、動物介在療法の介在犬として活動し始めたところです。
さて、ウィルくんの短所から、そんな犬はセラピー介在犬として不適切なのでは?と考える人もいるかも知れません。
実際、セラピー犬たるもの、人が何をしても抵抗せず、撫でられ続ける資質が必要であると書いてあるテキストもたくさんあります。
しかし、この考え方は、心理療法としての動物介在療法では少し違ってきます。心理療法としての動物介在療法における介在動物の役割は、癒しだけではないのです。
心理療法として動物介在療法を行うとき、介在動物は、クライアントさんの転移対象としての役割を持ちます。転移対象というのは、例えばこういう場面のことです。
Aさんが犬に「お腹空いている?」と聞きました。すると、犬がペロリとしなためずりをしました。Aさんは「そう。じゃあ、エサをあげるよ」と言いました。
この時、Aさんと犬との間にコミュニケーションが成立しているのですが、実際には、Aさんが犬に問い、それに答えたのはAさん自身であり、さらにAさんが「エサをあげるよ。」と返しています。
つまり、Aさんは、犬の動作メッセージを介在させることで、自己内対話をしていたのです。ここに、心理療法としての動物介在療法の独自性があります。
そして、この自己内対話をする際に、Aさんは犬に対して様々な対象を無意識に転移させていきます。例えば、犬とのコミュニケーションが上手くとれないのならば、苦手とする会社の上司との関係性を転移させるかも知れません。また、犬とのコミュニケーションが上手くいっていたとすると、理想の異性との関係性を転移させるかも知れません。
このようにその場その場で対象を変えながら介在動物に転移させた対象に対して、Aさんは働きかけと自己内対話を行いながら、心の課題解決を図っていることになります。
そして、その時に、犬は何をされても人間のなすがままの犬であってはいけないことになります。犬は、人間(クライアントさん)の働きかけに対して快・不快を適切な方法でしっかりと表現できる必要があります。
心理療法としての動物介在療法においては、介在動物は何かをしてくれる存在ではなく、あくまでクライアントさんが働きかけたことに快・不快を表現する存在である必要があり、そこに生まれた課題について心理師が共に解決していき、その時の心の動きをモニタリングしていくことが求められます。
そんな意味では、反応の明確なウィルくんのような犬もトレーニング次第では、優秀なセラピードッグになる素質があるかも知れません。(と期待しながらトレーニングしてます。)
何よりも大切なことは、咬傷事故などを起こさないことです。事故防止のためのトレーニングが最優先して行わなければならないことです。そして、そのためには、犬のトレーニングだけでは十分ではなく、環境条件を整えることも同じくらい大切にしていかなければならないと考えています。
No responses yet