当法人のセラピー介在犬のトレーニングには、クリッカー・トレーニングを活用しています。クリッカー・トレーニングとは、クリッカーという「カチッ」という音を発する道具を使って、良い行動を条件づけていくものです。
この方法は、アメリカの動物行動学者カレン・プライア氏がイルカで行なっていたオペラント条件付けに基づいたトレーニングを愛玩動物に応用したものです。

カレン・プラリア氏のトレーニング法
当法人で行うセラピー介在犬トレーニングは、基本的にカレン・プライア氏のクリッカー・トレーニングの方法に則った形で行なっています。カレン・プライア氏は、もともとはイルカのトレーニングにオペラント条件付けを利用していました。イルカに対しては、ご存知の通り笛がトレーニングの道具となります。イルカのショーを見たことのある方は、イルカはご褒美の魚を目当てに行動しているように見えるかもしれません。ですが、実際は、イルカが意識しているのは魚ではなく笛の音です。
セラピー介在犬のトレーニングも同様に、クリッカーの音と結び付けられたご褒美のエサを活用して進めていくのですが、犬にとって重要なメッセージはクリッカーの「カチッ」の方です。
ご褒美のエサは、無条件性強化子(無条件で犬が喜ぶもの)です。この無条件性強化子にクリッカーというもともとは犬にとって意味を持たない強化子(条件性強化子)を結びつけることによって、トレーナーからの肯定的なメッセージを意味づけることができるようになります。
クリッカー・トレーニングの具体的な方法については、『犬のクリッカー・トレーニング』(カレン・プライア著、河島孝監訳、二瓶社、2002年)にとても端的にまとめられています。
YouTube動画や他著もたくさんありますが、それぞれのトレーナーによるオリジナリティーが含まれたものがほとんどですので、一度、原則的な内容を理解するには本著をお勧めします。
セラピー介在犬のクリッカー・トレーニングに関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒にトレーニング方法を研究しましょう!
何を教える?
このトレーニングは、当然ながら、何を目的として行うのかによって、犬に教える行動が変わってきます。セラピー介在犬として適切な行動をとらせるためには、他の目的とは異なることを犬に教えたり、考えさせたりすべきことが当然あります。
この点についても、やはり先進国はアメリカです。ただ、アメリカにおいても一般的に示されている資質のリストは、どちらかというと動物介在活動(Animal Assisted Activities)のための資質です。
動物介在療法(Animal Assisted Therapy)において介在する犬には、それとは少し異なる資質が求められると考えています。そのことについては、また別の記事で。
2 Responses
簡潔で分かりやすい記事をありがとうございます。
うちの愛犬(ポメ・5歳・♂)は、人間は問題ないんですが、犬にはとにかく吠えます。
接触できる距離に近づくと、何もせず、相手がクンクンしてくるのに任せています。
でも、離れるとまた吠えます。困りました・・・。
セラピー犬のクリッカー・トレーニングって、セラピー犬ではない単なる犬のしつけに使って、
そのあとでセラピー用の専門トレーニングをしていくのが効果的でしょうか?
うちの犬をセラピー犬にする予定はないんですが、どんなステップが効果的なのかな?と思い、メールしました。
柄澤さん、コメントありがとうございます。
クラッカーは、いつでもどの段階からでも導入できます。
まずは、無条件でクラッカーを鳴らしてはご褒美を与えることを繰り返します。そうすると、クラッカーと音とご褒美が条件づくので、クラッカーは良いことをした時のサインだと認識します。
今度は、スモールステップで望ましい行動に近づくための行動をした時に、クリッカーを鳴らしてはご褒美を与えます。
そのようにして、次第にねらいとする行動をとった時に鳴らしてご褒美をあげるようにステップアップしていきます。
大切なこととしては、エサを見せて関心を引いたりしないことです。あくまで、クラッカーの音を良い行動へのサインとして受け取らせることが大事だからです。
ぜひ試してみてください。みるみる犬が考える犬になり、賢くなっていくことを実感できます。そして、犬とのコミュニケーションが一つ上のレベルになっていきますよ。