11月25日(金)と12月5日(金)に、新潟市西地区公民館主催の「こどもの想いとおとなの願いの重ね方セミナー」の講座を担当させていただきました。
西地区公民館さんとの打ち合わせで決められたこのセミナーのテーマすごいなーというのが、まずもっての率直な感想です。不登校や子どもの社会的不適応の際に、多少なりとも問題化するのが子どもと大人の思いのすれ違いであると思います。このセミナーは、この課題に正面から向かい合うセミナーでした。
このテーマに心理師として取り組むとき、どんなアプローチが参加者にとって最も意味があるのかとセミナーデザインの段階で考えました。
第1回は、交流分析における良いコミュニケーションの考え方をもとに、支援者自身のコミュニケーションの傾向についてエゴグラムを通じて考えました。また、支援者自身が持っている「不登校の子」のステレオタイプについて表現し、ステレオタイプに当てはめるのではなく、対象となる子の自我状態に敏感になることの大切さをお伝えしました。
第2回は、WISC-IVの尺度を用いて、ボードゲームを通じて子どもの適性を考察する活動をメインに行いました。「WISC-IVとボードゲーム?」と思われる方もいらっしゃると思います。でも、実は、この二つは連関性が高く、それぞれがそれぞれを補完することができるものです。WISC-IVは、実際のところ、支援者のためのツールとして用いられることが多いのですが、心理検査である以上、本人の暮らしをより良くするために用いられなければいけません。そのような視点で見ると、WISC-IVで検査される指標は、子どもの遊びを改善し、質的向上を行うために意味のあるものとなります。
演習では、5種類のボードゲームに、WISC-IVの4指標の知能のうち何が活用されているかを考えるグループワークを行いました。また、そこから、それぞれのゲームに適性のある子について考えました。
大人が集まって、一生懸命遊びについて考える。こんな学びの場もあって良いんじゃないのかな、という意図でデザインした今回のセミナー。どのように受け取っていただいたのか、気になるところです。