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how to 不登校 vol.6 アドバンスト不登校のコツ 編

不登校ライフをいかがお過ごしでしょうか。

不登校をしていると、「時には立ち止まっても良いんだよ。」とか「人生に休養の時期も必要だ。」と言われることがあるのではないかと思います。

これらの言葉は、もちろん不登校の子を思いやっての言葉であることは間違いないのですが、同時にある意味では無責任な言葉であるとも言えます。

その1つ目の理由は、この言葉の背景に学校に行かないという選択が、「停滞」あるいは「後退」であるという先入観・偏見があるからです。周りの人や支援者は、学校に行かないということが本当に立ち止まることや休養することを意味するのか、偏見のないまなざしでとらえる必要があります。

この不登校に対する停滞視・後退視こそが不登校の道を選んだティーンズにとっての最大の障壁となっています。不登校ライフを送るとは、すなわちそういうことなんだなとティーンズが自覚し、自らセルフエスティーム(自尊感情)にふたをしてしまうということを引き起こすことが多くあります。

不登校ライフを送りながらも、前進しても良い、活躍しても良いという考え方が本人にも周りの人たちにも必要なのです。

このような言葉が無責任である2つ目の理由としては、ティーンズにとって自分が立ち止まっていると自認したり、自分が休養時期にあると自認したりすることは、鬱を生み出しやすいからです。

もちろん休養は必要です。大事なのは、どれくらいの時間の休養が必要であると本人が感じているかということです。本人が休みたいと感じているときにそれに見合う分の休養を得ることはとても健全なことです。ですが、本人が必要だと感じていない休養を社会的立場によって「とらされる」ようであれば、本人のセルフエスティームを下げ、無力感を感じさせてしまいます。そうなると、鬱に至ってしまうことが多々あります。

以上の2つの理由から、不登校ライフを健全に有意義に過ごすには、常に小さくても前進感や熟達感を感じることができるようにすることがとても大切になります。善意の言葉がけによって、これらが奪われやすいのが不登校状態にあるティーンズなのだということを周りの人たちや支援者は、しっかり意識していることが求められます。

では、そのような前進感や熟達感はどのようにして感じることができるのでしょうか。

アドバンストな不登校ライフにするコツ

前進感や熟達感を感じながら不登校ライフを送ることは、何となく不登校期間を過ごしているだけでは実現できません。これから説明する3つのことを意識して過ごすことによって不登校ライフに対するモチベーションを上げることができ、結果として進歩的な不登校ライフを送ることができるようになります。

その3つとは、次のことです。


1.コマではなく、プレーヤーになろう。

以前の記事で、自分自身のマネージャーになろうと書きましたが、ここで言うプレーヤーというのは、自分自身のマネージャーと同じ意味としてとらえてもらってかまいません。

誰もが自分自身の中に「コマとしての自分」と「プレーヤーとしての自分」をもっているものですが、不登校中の人はコマとしての自分の意識が大きい人が多い傾向にあります。自分が、学校や家庭で上手に動くコマとなれていないことを感じ、悩んでしまうことが多くあります。

自分をコマとしてとらえている限り、この悩みは永遠に続いてしまいます。実際には、あなたは自分自身のプレーヤーなのであって、あなたの行動を決定する権限はあなただけがもっているのです。他の誰もあなたを操縦することはできません。

では、どうやったらプレーヤーになれるのでしょう。

例えば、ピカソというプレーヤーは、「こんな種類の絵を描くべきだ。午前8時には絵を描き始めねばならない。あの人と協力して絵を制作する必要がある。こんな感じに描きあげる必要がある」と考えるでしょうか。決してそんなふうには考えないでしょう。

では、あなたというプレーヤーは、「こんな不登校の生活を送るべきだ。午前8時には朝ご飯を食べ終わらねばならない。先生とも協力して改善する必要がある。こんな感じで再登校する必要がある」と考えたりしないでしょうか。この考えは、あなたのコマとしてのあるべき姿であって、プレーヤーとしてのあなたが決定した判断ではないはずです。

あなたは、コマになるために生まれたのではありません。あなたはプレーヤーになるために生まれたのです。それでは、あなたのすべきことは結局は何であるのか。

それはとてもシンプルなことで、あなたは、あなたの望むところにしたがって行動を選択すべきなのです。あなたの「望むこと」と「行動」とが遠くなればなるほど、あなたはプレーヤーでなくなっていき、コマ化していくことになるのです。そうならないように、あなたは自分の声によく耳を傾けて、望むことと行動とを一致させるよう努力しましょう。

自律的にプレーヤーとしてふるまうスキルを「オートノミー」と呼びます。不登校ライフを前進感をもって過ごすには、このオートノミーが欠かせないスキルとなります。


2.ある1つのことのスキルをアップデートしよう。

どんなことでも良いです。周りが許すならゲームでも良いです。どんなことでも良いので、ある1つのことについて、スキルアップする努力をしましょう。

インスタ映えする写真を撮れるようになる、ギターがうまくなる、Twitterでファボをたくさんもらえるツイートができるようになる、とにかく何でも良いのでスキルアップすべきことを決めて取り組みます。

どんな人間も何かがうまくなっているという感覚なくして自信を得ることはできません。逆に、まことに単純なことですが、人間は、ある1つのことがうまくなっているという感覚をもつことで、生活全体がうまくいっているという感覚を感じてしまう生き物でもあります。がんばることがない状態で長い時間すごすと、前進感・熟達感から遠ざかってしまいます。

このうまくなっている感覚のことを「マスタリー」と言います。マスタリーは、すべての人間にとって生きていくための糧となるスキルです。


3.「思い」でゴールを描こう。

ゴールはそのままモチベーションを意味します。そのゴールを「状態」ではなく「思い」で描くようにするようにしましょう。

状態をゴールに設定すると、あなたはその状態に至るために自分をコマ化しようとしてしまうことになります。なぜなら、その状態に至らせるために、あなたは自分の望むことを制限して、その状態への最短距離を模索してしまうことになるからです。ですので、ゴールは「思い」で描くようにします。

例えば、「あー、自分は最大限やれることをやりきった!」と思えるようにすることをゴールにしたり、「朝起きるのがこんなに気持ちがいいとは思わなかった!」と思えるようになることをゴールにしたりするのです。

ゴールにする「思い」がイメージできるようになってきたら、それをしっかりと言葉で表すようにしましょう。友達や家族に宣言するでも良いし、ときどきツイートにその言葉を盛り込むのも良いですね。言語化することで、そのゴールは近づき始めます。イメージのままにしていても、ゴールは近づきません。

マザーテレサの言葉として知られている次の言葉からも、逆説的に思考が言語化されて初めて実現のプロセスに乗るのだということがイメージできるでしょう。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。


不登校ライフをアドバンストにする3つのコツ。それは、

1.コマでなくプレーヤーになろう。

2.ある1つのことのスキルをアップデートしよう。

3.「思い」でゴールを描こう。

でした。

この3つのコツを実践することを意識して、ぜひ「オートノミー」「マスタリー」「ゴール」の3つのスキルを高めて、充実したアドバンスト不登校ライフを過ごせるようにしてほしいなと思います。

 

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