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みらいびらき系BOOKレビュー

『アインシュタインファクター』ウィン・ウェンガー、リチャード・ポー共著、きこ書房、2009

思考ブレーキ解除のハウトゥー本はたくさんあるけど、この本はこれまでのものとまるでアプローチが違う。

著者ウィン・ウェンガーは思考スキル系の人ではなく、教育学者。従来の教育学の学習理論とはまるで異なるとんがった内容。笑

学習強化理論でイメージストリーミング(イメージしたことを声に出して説明する発想法)で脳力を強化する方法を紹介している。シナプスの結合を訓練することによって、脳力を最大化しようということ。その結果、身に付くものを著者はアインシュタインファクターと呼んでいる。

/// イメージ・ストリーミングの三つの方法 ///
1.頭の中に浮かんだイメージは、大きな声で、ほかの人、あるいはボイスレコーダーに向かって説明しなければならない。小さな声では、効果がない。
2.説明をするときには、体中の全五感を使わなければならない。
3.説明は、すべて現在形で話さなければならない。

この本では、これを読めばアインシュタインファクターが身につくというようなことではなく、そのための上記のイメージストリーミングやフォトリーディングなどによる思考訓練方法が示されているので、現実的な内容だと言える。

 

 

学習強化の例として、その日に見た夢について翌朝に記録するようにすることで、人は徐々に夢を忘れずに覚えるように強化されることが知られている。

それと同じように、イメージストリーミングを続けることで、創造性の潜在能力が強化されるという。脳力の自己組織化を促す思考訓練とも言える。

イメージや思考することについてかなり非常に深いところまで考察していて、堂々の450ページ。

音楽の即興についての思考過程についても記述があり、ぼくのストライクゾーンど真ん中。みらいびらきLabo.で取り組んでいるアドリブ演奏によるデザイン思考トレーニングの理論的な根拠にもなり得そう。

これ一冊のためにセミナー開いても良いくらい刺激的で有用な本。久しぶりに出会ったブレークスルー本でした。

自分の能力開発に興味のある学習者や、学校のカリキュラムだけではこれからの時代はヤバイんじゃないかと危機感を抱いている学習支援者にオススメします。

まぁ、学校教育から一番遠いところにある教育理論ですね。

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