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how to学びイノベーション vol.5 「デザイン思考」をゲットする4つのワザ

 

 

「学校じゃあ授業、家じゃあ宿題と自学、熱心に学校の勉強ばかりやっているなんて、それじゃあ、あんたの将来ヤバいんじゃない?」というような言葉が聞かれるようになりました。

 

10年後、20年後の世の中の価値観や仕事事情がまるで予想できない今、学校カリキュラムをみらいびらきの武器としては頼りないと考え、前述の言葉に表されるような価値観をもった人が増えてきています。

学校カリキュラムは人の選抜と結びついていて、学校カリキュラムをしっかり身に付けていればいるほど選抜を通過することができるという強固な仕組みができています。ですが、2010年前後をさかいとして、高校・大学・企業に見事に選抜され、大企業に就職をしたまでは良いものの、そこで地獄のような苦痛の日々を過ごすということが珍しいことではなくなってきました。つまり、選抜の先に幸せが待っている世の中ではなくなりつつあるのです。

そんなとき、あなたのみらいびらきにとって本当に価値のある学びとは何なのでしょうか。私たちは、それを「イノベーション・スキル」であると考えています。「イノベーション・スキル」は、どんどん変化していく世の中に一歩先だって新たな価値をアウトプットしていくためのスキルとしてピーター・ドラッカーが説いたものです。

その際に、必要となるのが「今はまだない価値観を生み出すためのスキル」です。それが、「デザイン思考」です。21世紀において、自分の良さを活かし、幸せに生きていくためのスキルとして最重要なスキルであると言えます。

 

今回の記事では、この「デザイン思考」について、当会が、2019年1月に行った中高生のためのイノベーションセミナー「未来Hacks!」で、fagicaアートディレクターの山下良子さんから伝授していただいた「デザイン思考」をゲットするための4つのワザについて、ぼくが解釈したことをスキルとしてお伝えします。

その4つのコツとは・・・

1.「なし」だったものを「あり」にする。

2.「ヘン」「面白い」「偶然の産物」「現状の破壊」を追求する。

3.「楽しい裏切り」を徹底的に追求する。

4.「自分これ大好き」を異常に追求する。

 

 

 

 

1.「なし」だったものを「あり」にする。

このワザは、圧倒的な威力をもっています。

あなたが普段、価値観として「なし」としていることをあえて「あり」としてみるのです。

そして、「あり」としてみたことをあなた自身が抵抗なく受け入れられるようにデザイン・アレンジしてみるのです。

例えば、簡単なところでは、歩くことが面倒だと感じる人が、歩くことを推奨するための価値をデザインしてみることは困難なくできるでしょう。

もう少しレベルを上げると、不登校を推奨する価値をデザインしてみたり、超高齢化社会を推進する価値をデザインしてみたりするわけです。前者の例では、フリースクールや通信制学校がそれに当てはまるし、後者の例では、終活マーケットの創出がそれに当てはまります。

あなたを含む大多数が「なし」としている価値を、「あり」としたときにあなた自身が納得できる価値デザインをすることで、一歩先の価値を生み出すことができるわけです。

 

2.「ヘン」「面白い」「偶然の産物」「現状の破壊」を追求する。

学校の教科で学習することは、もっとも正統な知識です。つまり、もっとも一般的な価値をもつ知識だと言えます。全日本国民全が学校を卒業すると共にもっている知識であるわけです。経済学的に言えば、完全なるデフレ知識である言えます。学者の中には、学校で得られる知識を換算すると1ドル程度の価値であると考える人もいます。

このことは、学校カリキュラムに則った価値観では、新たな価値をデザインすることが困難であることを意味しています。

例えば、学校では文章を書く際には、「相手に分かりやすく」「気持ちが伝わるように」書くように指導されます。もしそれに従って勧誘文を作成したらどうなるでしょうか。「新顧客開拓のためのセミナーを実施します。今回のセミナーが上手くいかなければ撤退することになるので、どうか参加してください。」といった感じでしょうか。

この勧誘文を読んで誰が行きたくなるでしょうか。つまり、学校で教えている「相手に分かりやすく」「気持ちが伝わるように」の文章では、武器にならない現実があると言えます。そこで、それに変わるのが、アートディレクター山下さんがオススメする「ヘン」「面白い」「偶然の産物」「現状の破壊」を取り入れるということです。

この中で、誰でも意図してできるのが「偶然の産物」を生み出すという方法です。デザイン思考は「かけ算思考」とも例えられますが、今ある価値に他の価値をプラスしてみることで、偶然に何かが生み出されることがあります。

 

例えば、【サッカー × 福祉】【ゲーム × ファッション】【おにごっこ × 哲学】のように、通常は組み合わせないモノ同士を組み合わせて何が生まれるか考えます。その際には、さまざまなジャンルの中身を書き込んだカードを用意して、無作為に引いてかけ算してみても良いでしょう。その結果、生み出されたモノは、自然と「ヘン」「面白い」「現状の破壊」にたどり着いているかも知れません。

この方法は、「エクスカーション」と呼ばれ、スキル化されています。

どんなふうにするのかというと、例えば「新しい筆記具についてのアイデアがほしい」と決めたとします。次に、それとは関係のないジャンル、例えば、「動物」ジャンルを選び、犬、ねこ、うさぎ・・・というように動物を書き出します。そして、書き出した動物と「筆記具」とをかけ算してみます。

すると、【筆記具 × 犬】では、犬は知らない人が来ると吠えるので、「持ち主以外は使えないサイン専用ペン」が連想できるし、【筆記具 × ねこ】では、ねこは爪を出し入れするので、「ノック式ボールペン」が連想できます。また、【筆記具 × うさぎ】では、うさぎは跳ね回るので、「軽やかに走るように書けるペン」が、【筆記具 × 馬】では、馬の蹄鉄はひづめのすり減りを守るので、「すり減らず長持ちするペン」が連想できます。

このようにして、なかば無理矢理なかけ算をすることで、普通ではひらめきにくいことをひらめかせるスキルがエクスカーションです。アートディレクター山下さんの言う「偶然の産物」というのは、まさにこのエクスカーションを指しています。

 

3.「楽しい裏切り」を徹底的に追求する。

アートディレクターの山下さんは、デザインの依頼に対して常にプラス1案を加えて答えるようにしているそうです。そして、その1案は、期待を裏切るものにしているそうです。もちろん期待を裏切るというのは「期待以下」という意味ではありません。「期待以外」という意味です。クライアントの期待するモノに応えているだけでは、新たな価値は生み出せません。クライアントの予想以上のモノが生まれようがないからです。

それは、デザインの現場だけの話ではありません。私たちが普段友達と交わしているコミュニケーションでも、相手の期待する返事をただ繰り返すだけでは、なんとも面白みのない会話になるはずです。

そこに、奇想天外があるからこそ会話が盛り上がるのは、誰もが経験として知っていると思います。奇想天外は、人を惹きつけるためのマストです。

 

その感覚を様々な場で活用してみるのです。例えば、自主学習やプレゼント、メール、SNSの記事などでそれができると思います。

例えば、Twitterでは、ファボがたくさん付くようなツイートを目指すのをやめてみるのです。その代わり、今までファボをしてくれなかったような人からたった一人でも良いのでファボがもらえるツイートを目指してみるのです。ファボが多いと嬉しいのですが、ファボが多いというのは世間一般の価値観と合致していることを意味するので、新しい価値を生み出すことを目指すイノベーションからはもっとも遠い価値を示していることになります。

初めはごく少数の人しかファボしなかった記事の価値が、事後に認められていき、そして、オリジナルをたどっていくとあなたにたどり着いたとなるのが理想です。

「楽しい裏切り」の方法は、あなた次第。期待を裏切るミニ・イノベーションをあちらこちらで起こしてみましょう。

 

4.「自分これ大好き」を異常に追求する。

あなたが好きと感じ、夢中になることは、あなたの遺伝子にプログラムされています。

あなたの遺伝子は、どのようにして作り上げられたのかというと、生命45億年の間に、さまざまな困難・逆境を乗りこえて進化する過程で磨き上げられて作り上げられたのです。これは、まったく大げさな話ではなく、実際の話です。

しかも、あなたの遺伝子は、45億年前に、最初1匹目の単細胞生命が生まれて以来、一度も命をつなぐことに失敗したことのない先祖から引き継いだ遺伝子なのです。45億年間失敗なしですよ。

あなたの先祖は、単細胞生物のとき、熱の変化に対応できずに死んでしまうことがありませんでした。また、あなたの先祖は、多細胞生物になったとき、他の多細胞生物の栄養源になってしまうこともありませんでした。また、あなたの先祖は、肺を得て陸上に上がったとき、陸上の日照りで死んでしまうことがありませんでした。また、あなたの先祖は、恐竜の時代になったとき、小さなほ乳類であったにも関わらず、恐竜に食べられてしまうことがありませんでした。また、あなたの祖先は、アウストラロピテクスであったときに、食糧を得ることができず餓死することがありませんでした。また、あなたの祖先は、アフリカでホモサピエンスとして生きていたときにも、乾燥化・砂漠化によって死んでしまうことなく、ヨーロッパ大陸に渡り、繁栄することに失敗しませんでした。

あなたの遺伝子は、この過程で淘汰されることなく磨き上げられ、地球で生きるのに最適化された遺伝子なのです。ですから、あなたが、そして、あなたの遺伝子が「好き!楽しい!」と思うことは、地球で生きる上ではすべて正解なのです。

そして、重要なことは、あなたとあなたの祖先が45億年かけて行ってきたこの「進化」こそが、地球上で起こせる「最大のイノベーション」であるということです。その他のイノベーションもまた、困難や逆境の中で、それを脱するために新しい価値を生み出すことによって生まれるのです。

つまり、イノベーションとは、いつのまにか働かせてしまった思考のブレーキを解除させ、あなたの本来もっている人間性を最大限に発揮することによってしかなしえないのです。

 

この前提なしに、いくらイノベーション・セミナーに足繁く通ったり、イノベーション・スキルの本を読みまくったりしてみても、むしろイノベーションからは遠ざかっていきます。あなたが、あなたの好きだと感じることにどれくらい向かえているかが、そのままイノベーションの成果と比例すると言っていいでしょう。

ぼくたちは、「好きなこと」を我慢するのが良いことだという価値観を、多かれ少なかれ成長過程で後天的に身につけてしまっています。

この記事の最初に示した「学校じゃあ授業、家じゃあ宿題・自学、熱心に学校の勉強ばかりやっているなんて、それじゃあ、あんたの将来ヤバいんじゃない?」という言葉には、おそらく、もう一つの含意として「それで好きなことがやれてんの?」という意味が含まれているのではないかと思います。

遺伝子の話なんて、ちょっと大上段に構えた話をしてしまいました。ですが、ここで伝えたかったことは次のことです。

 

あなたが好きなこと、夢中になれることに自分を向かわせることによって、あなたのみらいはひらくべきところまでひらけていくのです。

 

fagicaアートディレクターの山下良子さんのお話に刺激され、思考がどんどんダイナミックに進み、進化論にまで至ってしまいました。「デザイン思考」は、生み出すモノがでかいです。

あなたが学校での成功だけを望んでいるなら、学校カリキュラムをひたすらがんばりましょう。でも、人生の成功を望んでいるのならば、あなたの人間性を最大限に発揮するためのスキルを身に付けなければ、それは得られないのです。

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